昭和30年代後半、小学校低学年だった私の初めてのおつかいは、平和通りの山本鶏卵店でした。四十数年前への浪漫飛行(タイムスリップ)です。
『吉祥寺と周辺寸描』鈴木育男氏より
『吉祥寺と周辺寸描』鈴木育男氏より
当時の平和通りは、鈴木さんの写真のようにアーケードのある商店街で、山本鶏卵店はその一角にありました。
アーケードの屋根のために昼間はどちらかと言えば、暗い商店街の中で、山本さんのお店は、ほんのりと明るく輝いているように見えました。
おがくずを集めた砂場のような台の上に、白く輝く可愛い卵たちが、お行儀よく並んでいたせいかも知れません。
卵を10個注文すると、お店の方が10個選んで、それはそれは丁寧に新聞紙で作った紙袋に入れてくれました。
さらに、その紙袋をゆっくりと新聞紙にくるんでくれました。
私は、その新聞包みを受け取ったとき、ものを大切に扱う気持ちも受け取ったような気がしました。
今ではその卵たちも、紙やプラスチックで規格化されたパックに閉じ込められていますが、私たちは、ものを大切にする心も同じように閉じ込めてしまったような気がしてなりません。
君恋し
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