東京、武蔵野市、井の頭自然文化園で62年間暮らした日本一長命で、少しシャイだったアジアゾウの「はな子」が2016年5月26日旅立ちました。
はな子は昭和24年8月22日、デンマーク船「オラフ・マークス号」でタイ・バンコクを出発し9月2日に神戸湾に到着。
その後特別貨車とトラックを乗り継いで9月4日、上野動物園に到着。
戦後初めて来た象はたちまち人気者になりました。
翌25年からはインドから贈られたインディラと一緒に日本各地を巡回しました。
昭和29年に上野動物園から井の頭自然文化園に移動してきました。
「はなちゃん」
「はな子」
「ぞうさん」
ゾウ舎の前で掛かる声はいつも愛にあふれていました。
はな子の前には幼子からご尊老の方まで、多くの人が集い逢いに来ました。
はな子との関わりは、私たちの心やからだを穏やかにしてくれる、ひとつの方法ともなっていたと感じます。
長い間、人々の前に出て頑張ってくれたはな子と、その飼育と健康管理に携わった飼育員の方々に尊敬の念を抱きます。
昨日井の頭自然文化園のゾウ舎を訪ねました。
はな子へのお花や好きだった果物やメッセージで溢れていました。
今は、鼻を左右に揺らしながら片足でリズムを取ってダンスをしているようなはな子の姿が浮かぶばかりです。
さようなら、はな子。
そして、ありがとう。